クイックリリースへの問い合わせが多いので、ウェブ担当者が素人視点でコラムを書かせていただきます。

FHRシステムと言えば・・・

2005年にWRCでの装着が義務化されて以来、安全装備の必需品としてFHRシステム(頭部および頸部保護装置)の装着が推奨されてきました。日本でも、2015年よりJAF公認競技においてFHRシステムの段階的義務化が進められています。

全日本戦では着用が出場条件にされているイベントもありますが
地区戦、県戦ではまだ使っていない方が多いですし、
怪我をしなければ安全装備の必要性が判らないということもあるでしょう。
ですが怪我は自己責任に止まらず、家族やチーム、オーガナイザー等にも影響を及ぼしかねません。

俗にいうHANS、SIMPSON HYBRIDがFIAの規則で公認されているものとして挙げられます。



必ずしも良いシステムがFIA公認品ではないです。
FIA公認品だから、絶対安全ってことはないです。
Simpson Hybridがベストの安全装具ではないでしょうが、
今のところ、FIA公認の中でのパフォーマンスは高いそうですね。

ラリー競技に参戦される皆様、ぜひFHRの導入、更新をご検討くださいませ。

前置きが長くなりました。

FHRの使用の条件は公認3点セットと “正しいテザーの調整が肝”

FHRをご使用の方々には言わずもがなですが、

いずれも公認されている
- FHRの本体(HANSやSIMPSON HYBRID)と
- ヘルメットに装着されたポストクリップとを
- テザー・テザー留め具(ヘルメット接続ストラップ)で連結して
着装固定して使用します。

こんな感じ・・・

重要なのは取り付けたテザーを適切に調整することなのですが…

このあたりから、素人の私には難解です
そこは次回のコラムで。

世界的には人気、クイックリリース仕様とは…

従来のHANS用ポストクリップがくさび型のクリップで着脱するのに対し
「ひもを引っ張ることで簡単にSIMPSON HYBRIDのテザーの取り外しが出来る仕様です」



クイックリリースは、単にクルー自身が簡単にテザーを取り外せるだけでなく、
不測の事態で第三者がクルーのヘルメットを脱がせる際にも簡単にテザーが外せるというメリットがあり、世界的には人気商品になっています。

ヨーロッパラリー選手権では、オフシーズンに車種毎で安全講習会が開かれています。
そこではロールケージの切断の仕方、ヘルメットの脱がし方も講習課題になっており、
それらの場でクイックリリースが推奨されるようになりました。

ポストクリップの交換

最初からクイックリリース仕様になっているSIMPSON HYBRID もありますが、
ここではあとからオプションで交換する方法を例示します。

■M6 クイックリリース仕様アンカー(左用/右用があります)

先ずヘルメット側のHANSのポストクリップの交換です。
六角穴付きスクリューを緩めてHANS用ポストクリップを外します。

コレが

こうなります

HANS用ポストはくさび方向で調整しますが、間違いのない方のポストを取り付けます。

リリース用の紐はヘルメットの上部などに、付属のベルクロ(マジックテープ)で固定します。

見かけはチョット…?ですが

以上です。

問題はテザーの交換ですが、
それは“正しいテザーの調整”で取り上げることにします。

今回はここまで…